①「遠い君に、僕は届かない」(二峰跨人)
「二峰跨人」先生の初単行本。タイトルにもなった「遠い君に、僕は届かない」も収録されていますが、個人的にお勧めしたいのは、「挿れたいのは別のひと」シリーズ。前編と後編の2本立てであり、単行本には、「アフターストーリー」も掲載されています。
蛇足ですが、「二峰跨人」先生の漫画はアニメ化されているのですが、アニメ化されたのは、単行本の名前と同じ「遠い君に、僕は届かない」。「二峰跨人」先生の代表作は、「挿れたいのは別のひと」シリーズだと思っていたので、かなりショックだったことを記憶しています。
「挿れたいのは別のひと」
クラスの男子と付き合い始めたヒロイン。しかし、彼氏の先輩と浮気をしてしまう。それは、先輩から見せられた「彼氏の浮気写真」に傷心してしまったから。先輩は、子供っぽい彼氏と違って、大人の魅力があって……。まぁ、「全部嘘なんですがね」。
先輩に騙されて、彼氏を裏切り、何度も腹いせセックスをしてしまったヒロイン。彼氏から真実を聞かされるのですが、すでに何度も体を重ねてしまった罪悪感に、ヒロインの心はボロボロになってしまう。初心な女の子の前で「紳士」を気取っていた先輩の豹変ぶりは、読者さえドン引き。どんな手を使っても犯したい魅力的なヒロインのキャラデザも良かったです。
②「クズ男に堕とされた処女娘〜分からないまま開発されて最後は完堕ちへ」(どえむたん)
どえむたん先生の「私、背徳セックスに溺れています。」シリーズが収録されている単行本です。「私、背徳セックスに溺れています。」シリーズは、無垢な少女が屑男に堕とされてしまうお話です。
この屑男は、ヒロインが友達になったクラスメイトの「セフレ」です。新学期早々にいじめらるところを助けてくれた友達でしたが、彼女には、誰にも言えない「秘密」がありました。
両親のネグレクトによって、親からの愛情を受けられなかった友達は、年上のヤリチンとの「売春」に嵌っていたのです。
しかし、ヒロインとの出会いによって、学校での居場所が生まれ、「売春」による「逃避」を辞める決意をします。ですが、彼女の「売春」相手は、散々犯した友達に飽きたこともあり、無垢なヒロインを「堕とす」算段を企てるのです。
平凡な家庭で平凡な幸せを
本作の魅力は、ヒロインの「退廃」の描き方です。両親の暴力から逃げて「売春」をしていた友達に対して、親に愛され、友達との学校生活を楽しみにしていた「普通の少女」だったヒロイン。
エロ無縁だった彼女が、友達を助けるために、「売春」の相手をし続けることで、どんどん「エッチな女」になってしまう「雌堕ち」が、とても胸に来るストーリーとなっています。
③「あの日の雪はふたりを…」(這禽サイコ)
本作は、「想いを寄せていた女の子が素人AVに出演していた」という「とても背徳的なシチュエーション」が、ストーリーの肝に置かれています。
主人公は、傍観者の視点で、すでに犯されてしまったヒロインを画面越しに見つめるしかありません。不可抗力な寝取られではありますが、一番可愛そうなのは「素人AV」に出演し、世界中に自身の痴態をされしてしまった彼女。
スポーツ推薦で大学進学していた彼女の身に何があったのでしょうか?
悪い男と付き合って
この物語を象徴するテーマが、「後悔」。彼女は、「素人AV」に出演してしまったこと。その原因は、元彼の紹介だったこと。そして、元をただせば、悪い男と付き合う原因は、「主人公が彼女へ告白しなかったこと」。
それが、主人公にとっての「後悔」だと知るのです。好きだった女性の「素人AV」出演という「最悪な結末」は、高校時代の「些細なすれ違い」から始まっていたのです。あの時に、主人公に少しだけ勇気があれば、想い人と一緒になれただけでなく、彼女が不幸になることはなかった。
高校時代の思い出には、運動大好きで笑顔溢れる姿が、主人公の脳裏に浮かんでいます。それ対照的に映し出される、汚いおじさんに犯されるヒロインの姿が、とてもインモラルで興奮しました。
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